大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和46年(特わ)1032号 判決

本店所在地

東京都台東区浅草二丁目三番一号

株式会社 タケミ

(右代表者代表取締役 竹山朝次)

本籍

東京都台東区松が谷二丁目六九番地

住居

東京都台東区浅草二丁目二番四号

会社役員

竹山朝次

大正一一年六月二〇日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官佐藤道夫出席のうえ審理をとげ次のとおり判決する。

主文

被告会社を罰金三五〇万円に処する。

被告人竹山朝次を懲役六月に処する。

ただし被告人竹山朝次に対し、本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となる事実)

被告会社株式会社タケミは、東京都台東区浅草二丁目三番一号に本店を置き婦人服の製造及び販売を目的とする資本金八六〇万円の株式会社であり、被告人竹山朝次は、右被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄していたものであるが、被告人竹山は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するとともに架空仕入・架空外註加工費を計上して簿外預金を設定する等の不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一、 昭和四二年七月一日から同四三年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二、〇七七万八五二円あつたのにかかわらず、同四三年八月三一日東京都台東区駒形一丁目八番一〇号所在所轄浅草税務署において、同税務署長に対し、所得金額が六一二万一、〇一九円で、これに対する法人税額が一六八万七、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額六七九万円と右申告税額との差額五一〇万二、二〇〇円を免れ(別紙第一)

第二、 昭和四三年七月一日から同四四年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二、四二六万一、四九五円あつたのにかかわらず、同四四年八月三〇日東京都台東区蔵前二丁目八番一二号所在所轄浅草税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、〇七八万八、八二三円で、これに対する法人税額が三一三万七、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額七八三万八〇〇円と右申告税額との差額四六九万三、三〇〇円を免れ(別紙第二)

第三、 昭和四四年七月一日から同四五年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二、六〇四万二、七〇二円あつたのにかかわらず、同四五年八月二九日前記所轄浅草税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、三七三万一、四六八円で、これに対する法人税額が四〇一万五、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額八五〇万四、四〇〇円と右申告税額との差額四四八万九、〇〇〇円を免れ(別紙第三)

たものである。

(証拠の標目)

一、 被告人竹山朝次の当公判廷における供述

一、 被告人竹山朝次の検察官に対する各供述調書(二通)

一、 被告人竹山朝次の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、 竹山君子の検察官に対する供述調書および大蔵事務官に対する質問てん末書(昭和四五年一〇月八日付)

一、 佐藤保の検察官に対する供述調書および大蔵事務官に対する質問てん末書(昭和四五年一〇月八日付)

一、 石田子良の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、 登記官梅原光夫作成の登記簿謄本

一、 検察事務官柳沢忠幸作成の電話聴取書

一、 総勘定元帳、確定申告書等三袋(昭和四六年押第一五三四号の1、14、15、16)

以上のほか

別紙第一、第二、第三の1(算用数字は勘定科目番号を指す。以下同じ。)について

一、 竹山君子の大蔵事務官に対する昭和四五年一一月二日付質問てん末書

一、 佐藤保の大蔵事務官に対する昭和四六年一月一四日付質問てん末書

一、 大蔵事務官田中英雄作成の銀行調査書

一、 穴沢拓作成の昭和四六年三月二六日付証明書

一、 被告人竹山朝次ほか二名作成の昭和四六年一月三〇日付上申書

一、 大蔵事務官前田昌男作成の調査書

一、 手帳(売上等日記帳)二〇冊(昭和四六年押第一五三四号の11)

別紙第一、第二、第三の7、第二、第三の3について

一、 大蔵事務官田中英雄作成の外注加工費水増額調査書

一、 佐藤保の大蔵事務官に対する昭和四六年一月一四日付、同年二月九日付各質問てん末書

一、 藤生保雄作成の上申書

一、 買掛金元帳一綴、仕入帳二綴、棚卸表一袋(昭和四六年押第一五三四号の2、3、4)

別紙第一、第二、第三の4について

一、 佐藤保の大蔵事務官に対する昭和四六年二月九日付質問てん末書

一、 政所伴和の大蔵事務官に対する質問てん末書および上申書

一、 真杉隆三の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、 大蔵事務官田中英雄作成の銀行調査書

一、 穴沢拓作成の昭和四六年三月二六日付証明書

一、 田中善慈作成の上申書

一、 買掛金元帳一綴、仕入帳二綴、メモノート一綴、請求書用紙一冊、領収証用紙一冊、納品書控用紙一冊(昭和四六年押第一五三四号の2、3、5、7、8、9)

別紙第一、第二の6について

一、 藤生保雄の大蔵事務官に対する各質問てん末書(二通)および上申書

一、 大蔵事務官田中英雄作成の銀行調査書および外注加工費水増額調査書

一、 被告人竹山朝次ほか二名作成の昭和四六年一月三〇日付上申書

一、 買掛金元帳一綴(昭和四六年押第一五三四号の2)

別紙第三の8について

一、 被告人竹山朝次ほか二名作成の昭和四六年三月九日付上申書

別紙第一、第二、第三の16について

一、 竹山君子の大蔵事務官に対する昭和四六年三月一二日付質問てん末書および上申書

別紙第三の27について

一、 佐藤保の大蔵事務官に対する昭和四六年二月九日付質問てん末書

一、 請求書等一袋(昭和四六年押第一五三四号の12)

別紙第一、第二、第三の29について

一、 佐藤保の大蔵事務官に対する昭和四六年一月一四日付質問てん末書

一、 竹山君子の大蔵事務官に対する昭和四五年一一月二日付、同四六年二月一七日付、同年三月一五日付各質問てん末書

一、 政所伴和の大蔵事務官に対する質問てん末書および上申書

一、 真杉隆三の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、 竹山君子、佐藤保作成の上申書

一、 被告人竹山朝次、竹山君子作成の上申書

一、 大蔵事務官田中英雄作成のリベート上申書の内容検討調査書

一、 売上リベート記入帳一綴(昭和四六年押第一五三四号の6)

別紙第一、第二、第三の32について

一、 大蔵事務官田中英雄作成の銀行調査書

一、 穴沢拓作成の各証明書(二通)

別紙第一の41、42、第二の39、40、41、第三の39、41について

一、 蔵事務官庄司英作成の証明書

別紙第一の49、第二、第三の47について

一、 検察事務官柳沢忠幸作成の捜査報告書

一、 確定申告書等一袋(昭和四六年押第一五三四号の13)

(法令の適用)

判示第一、第二、第三、の各所為につき、法人税法第一五九条

(被告会社についてはさらに同法第一六四条第一項)。

被告会社については、刑法第四五条前段、第四八条第二項。

被告人竹山朝次については、各懲役刑を選択のうえ刑法第四五条前段、第四七条、第一〇条(判示第三の罪の刑に法定加重)、同法第二五条第一項(刑の執行猶予)。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 杉山忠雄)

別紙一 修正損益計算書

自 昭和42年7月1日

至 昭和43年6月30日

〈省略〉

〈省略〉

別紙二 修正損益計算書

株式会社 タケミ

自 昭和43年7月1日

至 昭和44年6月30日

〈省略〉

〈省略〉

別紙三 修正損益計算書

株式会社 タケミ

自 昭和44年7月1日

至 昭和45年6月30日

〈省略〉

〈省略〉

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例